第3章 【ツンデレ】×【吸血鬼】
「いっ…」
「…何かあったの?」
「包丁でちょっとやっちゃって。」
ほら、と軽く血の流れる手を見せる。
そう言えば、吸血鬼って血見せるとダメなんだっけ…。
ふと思い出して急いで隠すと、吸血鬼で彼氏の蒼依は笑った。
「俺がそんなに血に飢えてると思ったの?」
「そんな事ないよ。ただ心配になったの!」
「そ、心配とか要らないし。…それより早く見せて。」
そうは言っても、少し躊躇う。
「いーから。」
グイッと私の手を掴むと、見えた傷口に口付けをした。
「なんで、血は足りてるんじゃなかったの?」
はぁ、と溜息を付くと、
「血は足りてるけど…こうした方がいいでしょ。」
なんて言って、絆創膏を貼った。
下手に貼られた絆創膏が、少し目立つ。
可愛いな。なんて笑ってると、今度は首に噛み付かれる。
「今、可愛いとか思った?」
「雨衣のせいで、止まらなくなったんだから…」
「覚悟して。」