第3章 【ツンデレ】×【吸血鬼】
「ちょっと、折角貰ったリンゴ食べようと思ってたのに。」
必死に止めても蒼依は止めようとはしてくれない。
「嫌だ。真っ赤な癖して全く満たされない林檎を食べるよりは、まだ少しは満たされるあんたの血を飲んだ方がマシだ。」
ぼそり、リンゴにも私にも少し失礼な言葉を投げかける蒼依に、イラッとする。
「蒼依~!私と美味しいリンゴを侮辱するな!」
「うるさい。」
そんな私を蒼依は軽くかわすと今度は唇へと口付けをした。
蒼依の舌は、私の舌へと執拗に絡みついてくる。
「…ッ。」
声を必死に抑える私の耳元で、
「_雨衣。好き、大好き。」
なんて言う。
「俺は、あんたの声が聞きたいんだけど…」
「首とか口だけじゃなくて…」
「胸とか、もっと下の方にキスすれば、あんたの声聞かせてくれる?」