第40章 【片想い】×【夏】
今から何年も前の夏、私はいつも通りおばあちゃん家に遊びに来ていた。
「じゃあ、私花火買ってくるね。」
その日はみんなで花火をやろうと、私はおばあちゃんにお金を貰い、
1人近くのコンビニに向かっていた。
近くと言っても、おばあちゃん家から歩いていくには少しだけ距離があって。
そこへは他の用事もあった私だけ行くことにした。
しばらく歩いてコンビニが見えてきた頃、誰かから名前を呼ばれた。
「雨衣?」
知らない、男の人の声だった。なのに、私の名前を知っている?
振り返ると、知らない人。その人は焦りと驚きが混じったような、そんな顔をしていた。
先に言葉を発したのは、私の方だった。
「どうして、私の名前を知っているんですか?」
「…似ていたんだ、知り合いに。」