第16章 16.おまじない
二宮くんの言った通りかもしれない
私は我が儘なんだ。すごく、すごく
「……?」
ほら、やっぱり智くんのとこに来た。
「どったの……泣いてんじゃん」
『っ…………ッう……智、っくん』
ふにゃっとした笑顔でこっち来て、
私のことを包んでくれる。
「…だーれが泣かせたの」
『………違うッ……ッ…だれも悪くない』
「そうなの?」
『……ッうん』
「そっか……そっか、そっか」
いつもみたいにポンポンと、
優しく私の頭を撫でる智くん
『智くん……っ……二宮くんがね…っ
もう……利用すんなって……っ…うんざり
って……言ってた、のっ……』
「あーら、そんなこと言ったの?」
『うん……でも……正解だから……っ……
二宮くんは何も間違えてないの……』
「……そっかそっか」
『…うん…っ…ご、めん』
そう言って静かに智くんから離れた。
「すぐ仲直りできるよ」
『…………フラれたもん』
「……なんでフラれてんの?」
『え?』
その瞬間、智くんの目が悲しくなって
私のことを再び抱き締め出した。
「諦められねーじゃん…」