第14章 14.素直
「二宮」
「なんすか(笑)」
二宮を屋上に呼び出すと、
見つめてたあたしを笑う二宮
「あんたって賢そうでバカだよね」
「は?ケンカうってます?」
「……なんで付き合ったわけ、あの子と」
そう言うと"あぁ、それね"とか言いながら
屋上の手すりに顔をつけてる。
「……なんで付き合ったの」
「んなの好きだからでしょ」
「……違う」
「違くねーわ。本当に……好きなの
でもさ……振り向くわけねーじゃん?
あの子ずっと違う人見てるしね(笑)」
それはきっと大野先輩のこと。
じゃあなんで?なんで付き合ったの?
「光ちゃんこそバカですよね」
「は?」
「……俺はさ、分かってるから
あの子が絶対、大野さんと付き合うって
じゃねーと困るわ。諦めれなくて……」
「え、じゃあ……わざと?」
「そうですよ。
俺って優しいからね、ええ
だから見ててよ。このドラマ」
なんて言いながら屋上から去っていった彼
「確かに……あたしバカか」