第11章 11.矛盾する気持ち
泣かせたら殺すからって……
じゃあ離すなよって話であって、
智「あーあ、めいちゃんとこ行こ!」
「……大野さん」
智「んあ?」
帰ろうとした大野さんが俺の声に、
フッと振り向いた。
「俺、のこと好きですよ
っつーか、好きですよ
でも、あなたが心の中にいるんですけど
あいつの心も頭も全部埋め尽くされてんの
そんなんで付き合うって酷じゃないっすか?
その彼女さんも苦しいと思いますけどね」
その言葉には反応せず大野さんは
ゆっくりと屋上から出ていった。
「はぁ…………めんどくせぇ…」