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≪刀剣乱舞≫ 春日狂想

第3章 静かの海で 〜後日譚〜


「はーい、三日月と薬研そこまでー!公平にくじで決めた結果だからねー!」

と、俺と三日月との間に加州が割って入り。
そのまま俺達の事など気に留めず声を張り上げた。

「皆ももうそろそろ消灯だから自分の番号の布団に入るー!!」

それに皆も各々返事をし、とわの周りからわらわらと散らばり自分の布団へと向かって行く。

「ではな、薬研。俺も就寝するとしよう。けれどな薬研、本来ならば俺がやきもちをやく立場なのだぞ?主に想われているとはな。今夜一晩くらい許せ」

三日月は少し寂し気に目を細めそう零せば。
その言葉に俺は虚を突かれた思いがした。

そうだ。全く三日月の言う通りだ。
俺はとわに想われている。これ以上ないくらい想われている。
それは彼女のあの笑みが雄弁に物語っている。
それだけでもう充分ではないか。これ以上何を望む事がある。

俺は去って行こうとする三日月に慌てて声を掛けた。

「三日月!その…、悪りい…」
「なに、気にするな」

ハハハっと三日月は笑いひらりと手を振って背中を向け今度こそ去って行った。

「何?何かあったの??」

やっと皆から解放されたらしいとわが問いかけてくるが。

「何でもねえよ。ほら、大将ももう寝ろ」

そう言って苦く笑えば、彼女は不満気に「もう公認なんだから大将はやめて、ちゃんと名前で呼んで?」とせがむ。

「はいはい、おやすみ。とわ」
「うん!おやすみ、薬研」

彼女の要望に素直に従った俺にとわは今度はにっこりと微笑み、布団へと向かって行った。
それを見送り俺も自分の振られた番号の布団へと移動する。
すると。

「よく来たな、薬研!今夜は俺が隣に居るからには主の元へは一歩たりとも近づかせん!俺が一晩中眠らず見張っていてやる!!」

と、目をギラギラさせる長谷部に。

「なっ…!薬研、この人数の中また主によ、よ、夜這いをかける気か!?」

と、顔を真っ赤にさせ何ともDでTな雰囲気で慌てる大包平に挟まれていた。

「見張ってなくても何処にも行かねえよ、長谷部。それに俺は夜這いなんてした事ねえからな、大包平」

言って布団へ入れば、長谷部に物凄い力で手首を掴まれ。
DでTな大包平には「俺をい、い、いやらしい事に巻き込むなよ!?」と背中を向けられた。

何とも面倒な二人に挟まれたものだ。


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