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≪刀剣乱舞≫ 春日狂想

第3章 静かの海で 〜後日譚〜


「ぬしさまは何番ですかな?私は五十七番です」
「私は三番!小狐丸とは随分離れたねー」
「ちぇー!俺、十番!なんか微妙ー…」
「加州とは近いような遠いような位置だね」
「hu hu hu hu…私は五番デス。なかなか近いデスね」
「あ、村正は近いね。でも全裸で寝るとかはやめてねー?」

皆がわいわいと自分達ととわの位置確認をしていると、一つはしゃいだ声があがった。

「わーい!あるじさま、ぼくはにばんです!!神通力がつうじたんでしょうか!となりでねれますねっ!!」
「じゃあ今夜はよろしくね、今剣ちゃん」
「はーい!あるじさまをおとなりでおまもりします!」

今剣はぴょんと跳ねながらとわの腕にすり寄った。


くっ、今剣が二番か!本当に神通力なんてあるのか!?
村正が存外近いのも気になるが、残る四番は一体誰だ!?
そう歯噛みして数字があがる声を待てば。

「これはこれは。俺は四番だぞ?三条に挟まれたな、主」

と、三日月がにこりと笑い「よきかな、よきかな」なんて言いながらとわの前へ進み出た。

「三日月が四番!?アハッ、本当だ!三条に挟まれた!」

クスクスととわは三日月の言葉に笑みを零す。

何っ!?三日月だと!?
流石、天下五剣!引きの強さも格が違うのか!?

まあ今剣は良いとしよう。下心がないのは分かってる。
でも三日月は納得いかない。
恋かどうかは別としても、とわを大層特別に思っているのは明白なのに、いくら全員一緒だからと言っても危険だ。

「おや、薬研。何を不機嫌な顔をしている?やきもちか?」

余裕の笑顔を浮かべ俺をからかってくる三日月に、そうとは悟られぬようふんとわざと何でもない事のように答える。

「こんな小せえ事でやきもちなんかやくかよ」
「そうか?俺には至極不機嫌そうな顔に見えるが」
「俺は元からこういう顔だ」

言って、ふいっと横を向いた。
けれど本音を言えば、俺以外の誰かが彼女の隣で眠るなんて、そりゃあ三日月の言い得た通り嫉妬だってするのだ。


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