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≪刀剣乱舞≫ 春日狂想

第3章 静かの海で 〜後日譚〜


大阪城大広間に所狭しと埋め尽くされた布団に、枕の上には数字の書かれた紙。
そこにわらわらと集う本丸中の刀剣男士。
その異様とも思える光景に溜息が出る。

結局、朝のとわの「皆で一緒に寝よう!」という提案は全員一致で可決され。
今日は丸一日、全員が全員朝から浮き足立ち今夜を待ちわびていた。
俺、ただ一人を除いて…。

「本当に全員で寝るのかよ…」

そう呆れ半分に呟けば、「良いではないか、薬研。何事も大勢でする方が楽しい」と、夜着に着替えた三日月がにこにこと広間へと入ってきた。

「三日月はそりゃいいだろ!とわの隣なんだからな!」
「おや。やきもちか?」

言いながら楽しそうに、はははと笑う三日月に実際の所やきもちと言うか複雑な気持ちは抱いている。

広間で皆で寝ると決まったものの、やはり誰もがとわの隣がいいと主張を始め。
長い口論の果てに、ここは厳正にくじ引きでとわの左右隣を決めるのが公平だろうという意見にまとまった。

そしていざ決戦の夕餉後のくじ引き。

「はーい、それじゃ主、短刀、打刀、太刀、大太刀、薙刀の順番でくじ引いてー。全員引き終わるまでくじ開いちゃ駄目だからねー!」

本丸一の古株、加州がまとめ役となり、運命のくじ引きが始まった。
そして和気あいあいとくじ引きは終わり、その結果俺は二十二番。

とわは?一体何番を引き当てた?
とわがどうか二十一番か二十三番でありますように!
そう願っていると後ろからこそっと声がかかる。

「薬研、何番?私は三番」
「何っ!?……俺は二十二番」
「あらー、離れちゃったね…」
「まあこればっかりはしょうがねぇな」
「うん…。でも今日も薬研と一緒に寝たかったな…」

そうしょんぼりと肩を落とすとわ。
そんな彼女を、これはこれで可愛いものが見れたな、なんて呑気な事を思っていると、皆がわらわらととわに番号を聞きに集まって来た。


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