第1章 第1章
Sサイド
只今新曲の振り付け絶賛居残り中(笑)
いつものように雅紀も一緒な訳で…
鏡の前で真剣に振り付けを覚えてる雅紀。
クルリとターンするたび、飛び散る汗。
汗でTシャツが張り付いて、細い身体が、より際立つ。
首筋に流れる汗も、また艶かしい。
俺は椅子に腰掛け、後ろから雅紀を見ていた。
真剣に振り付けを覚えてる雅 紀は俺の視線に気づくことはない。
まして、俺がどんな風に雅 紀のことを思っているかなんて、考えもしないだろう。
そう、俺はこの天然で鈍感で向日葵みたいな笑顔の雅紀に恋愛感情を抱いてしまった。
許されないことはわかってる。
メンバーでしかも同性。
そんなことわかってるよ。
でも、好きになってしまったから……
愛おしいって思うから……
ごめん、もうこの感情を無かったことには出来ない。
真剣に振り付けを覚えてる雅紀……
抱き締めたい……