第14章 願望【幸村】
せいなサイド
「おーい、起きてよー」
あれ、精市声…?
また夢にも精市が出てきたのかな…?
なんて目を少し開き寝返りを打つ
そしてまた目を瞑り眠りにつこうとすると
背中になにか抱きついてきた、重い…
「こら、起きろって俺言ったよね?」
耳元で精市の声が甘く囁いた
この一言で私は一気に目が覚めた
そして一気に血の気が引いた
『…お、おはよ…?』
「やっと起きてくれたね。おはよう。今日はせっかくの休日だ、俺の家で一日中お家デートだよ」
ん…?あれこの一言を聞いてすぐ私は辺りを見渡した
あれ、これ私の部屋じゃない…!
キョロキョロしてる私に気づいたのか精市が口を開いた
「ん?気がついたかい?せいなが俺の電話に出なかったから家に迎えに行って俺の家に連れてきたんだよ」
いや電話に出なかったって今朝の八時だし今日休日だし…なんて内心ぶーぶー即座に文句を言っていると
「今更なんだい?文句でもあるのかい?」
ニコニコしながら私に言ってくる精市が怖いです…っ!
「久しぶりに部活もないんだせいなとずっと居たいんだよ?それくらいいいだろう?」と、言い
次は正面から私に抱きついてきた
私は精市にめっぽう弱い
だから甘えられるとそれを肯定することしか出来ない
また、それを精市は知っている。故に上手く利用してくる
そんな事を思いながら私は大事なことに気がついた
今日は友達と出かける予定だった
あ!なんて声を出すと精市は「どうしたんだい?」なんて首をかしげて聞いてくる
『あのさ今日友達と私出かける予定だったんだけど行っていいかな?』
そう私が言うと少し不機嫌な顔を見せたと思ったらすぐにニコニコとして
「ん?その友達とやらには俺がもう断っておいたよ」
台詞と爽やか笑顔が噛み合ってませんよー魔王さーん
そんな事思っても精市には無意味だ
私は素直に諦め精市に
『今日はお家デート楽しもっか』って言うと
「当たり前だろう。着替えとかも持ってきたら着替えときな、俺はしたからお茶持ってくるから」
なんて残して精市はすぐに下に行ってしまった
そして私は精市が勝手に持ってきた私の服に着替えた