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テニプリ 短編

第11章 不器用【日吉】


後二週間程度で夏休みになる

夏休みになったら先輩達の引退試合を掛けた全国大会が始まる

だと言うのに俺は何故か教室でせいなと一緒に学級日誌や提出物の整理をしている

早く部活に行きたい…
今日こそ跡部さんに下克上だ…

なんて脳内で部活のことを考えていたらせいなが

『日吉くん?ぼーっとしてるけど平気?色々手伝ってもらってごめんね…面倒くさくなってるならもう部活行ってきて平気だよ?』

なんて言ってきた。

「お前ふぐ謝るよな、後面倒臭いがお前1人でこの量の仕事をするのは時間がかかるだろ仕方ないから俺が最後まで手伝ってやる」

せいなに背を向けながらそう言ってしまった…

いや、なんで俺はそんなことを…!俺は早く部活に行きたいんだぞ!?

自分の意志とは真逆のことを言ってしまった事に内心動揺を隠せないがせいなの表情は不思議と嬉しそうだった

まぁ、言ってしまった以上最後までてつだってやんないとな

「とりあえず早く終わらせるぞ、お前のプリント半分よこせ」

そう言ったらせいなは自分の仕事の分のプリントを俺に渡した

30分くらいで俺はせいなから渡されたプリントに目を通してやる内容は終わったがせいなは一向に終わらないようだ

ずっとプリントと睨めっこしてやがる

「おい」そう声をかけると『ふぇ?』なんて間抜けな声を出しやがった

「お前いつまでそのプリントに時間をかけてるつもりだ?お前はとろいんだよ」

なんて言うとせいなは悲しそうに

『あ、…ごめんね。早く追わせるようにするよ』

と、目をそらしながら返してきた

「お前そうやってすぐ謝るな」俺がそう言ったら

『えっと、ごめん…』なんてまた謝ってきた

「ほら、また謝ってんじゃんか」俺が無意識に笑いながら言うとせいなは

少し目を丸くして

『あ、ホントだ』なんてせいなも笑いやがった

「ほら、お前のプリント全部よこせ。俺が目を通して抜けてるとこ探すからお前は俺の見落としがないか最終確認をしろ」

そう言って俺はせいなからプリントを全部取っていった
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