第9章 確信犯【柳】
『なら近いうち教えてよ!』なんてニコニコしながら言ってきた
そんなふうに言われた二つ返事でOKと返す以外の選択肢はなかった
そんな他愛のない話をしながら帰っていると
俺はまた先ほどの問に話を戻した
「で、また聞くが本当に学級日誌やごみ捨てをしていただけなのか?」
せいなの顔色が悪くなり『うっ…!』なんて効果音が付きそうなくらいだった
まぁ、俺はせいなが何を隠しているかなんて分かっているが素直に言ってくれないせいなへの罰だ。
なんて思いながら楽しいんでいる。
『えと、…ほんとに学級日誌とごみ捨てに行ってた、だけだよ…』
そんな冷や汗を流しながら声のトーンが自然と変わっている
そんな姿のせいなを見ていたら無意識に声を出して俺は笑っていた
「フフッ…ハッハッ…ほんとせいなは面白いな…フフッ」
俺が笑っていると少しせいなは動揺している
『えっ!…えっ!?私何かしちゃった…!?』
なんて心配そうに眉を細め俺の顔を覗き込んでくる
俺が呼吸を整え笑い終わると
はぁ、とホッとしたのかため息をついていた
「すまないな、せいなの反応が面白くてな」
それを言うと、むぅっと頬を膨らませた
元は素直に言わないせいなが悪いのにな
そこすらも愛おしく思えてきてしまう
ん?何を素直に?
それはせいなが俺と帰るために遅くまで学校に残っていた、ってことだ
もちろん、俺はすぐせいなが隠していることが直ぐにこの事だ、って事は分かっていたぞ?
少しせいなに意地悪をしすぎたな、俺らはそう思い
せいなに
「今日は俺を待っててくれてありがとうな」
なんて言うと
なんで知ってるの!?なんて言ってた
伊達に参謀、なんて言われてないさ
これから何度かせいなに『なんで知ってるの!?』と質問されたがすべて流してやった←
素直になれないとこすらもせいなは可愛いと思ってしまう
俺も随分とせいなに溺れているな、なんて最後の最後に少し自覚した。
データに加えておかなければ…
【完】