第9章 確信犯【柳】
明日からテスト週間、ということは今日で部活は一時的に休止だ
ミーティングが終わりいざ帰る、となった時校舎の影からチラッとせいなの姿が見えた
ん?アイツ帰ったのではないのか…?なんて疑問に思った
俺は今日部室の鍵当番だから皆より遅く学校を出た
校門を出るとスッと人影が見えた
するとそこにはせいなが居た
『今帰り?偶然だね』なんて言ってきた
さっき校舎影から見えたのはやはりせいなだったのか
「あぁ、これから帰るところだ。せっかくだ、一緒に帰らないか?送るぞ」
なんて言うと
『うん!もちのろん!』なんてニコって笑い俺の少し先を歩いた
釣られて俺は駆け足でせいなの隣に並んで歩いた
「そう言えば何故お前はこんな時間まで学校にいたんだ?」
さっき不思議に思ってた事を俺は聞いた
『…うーん。あれだよ!学級日誌を書いてたんだよ!』
少し言葉を詰まらせていた、これは何か隠している確率97%
「ん、そうかならば何故さっき校舎の外にいた?校舎の影からお前が見えたぞ?」
俺が少しずつ問い詰める
『えっと…それは…!ごみ捨てに言ってたんだよ!』
また言葉を詰まらせた、それに目をそらした
うむ、これは何か隠している確率100%
「…そうか、それより今回のテストどうだ?できそうか?」
何かバレたく無さそうだったから俺はわざと話を逸らしてやった
『今回はねー英語だけはできそうかなー!』
「ん?だけ、?」
俺が聞き返すと『あ…やば…』なんて囁き俺から少し距離を置いた
ふーん、相変わらずせいなは勉強が出来ないようだ
「分からないところがあれば直ぐに俺が教えるぞ」
なんて微笑んでやると
顔をパァーっと明るくして俺の腕に抱きついてきた
相変わらずせいなは子供っぽいな、なんて思った