第7章 からかうな【真田】
『さーなーだーげーんーいーちーろーくーん』
大声で、おちゃらけた声で誰かが俺の名を発した
こんな愉快に俺の名を呼ぶやつなんぞ1人しかいない…
また俺の名を発しながら次はスキップをしながら俺の方へ向かってきた。
内心「あいつは…何を…」なんて呆れてる俺をよそに
俺の名を発していたせいなは俺に飛びついてきた
相変わらず元気がいいな…否、良すぎるんだ
飛びついてきた事には慣れている、だからそこにはもう俺は何も言わん
だが俺は一言
「今日は何だ?」と、一応聞いてやる
そうするといつものお約束で『よく聞いてくれましたっ!』なんて愉快に返事をする
『今日はね!このアプリを使って弦一郎と遊びたいとおもってね!』そう言いながらせいなは自分のスマホを俺に見せた。
画面には【あなたの年齢、性別を診断します】なんて書いてあった。
ん…?なんだこれは?アンケートみたいなものか…?
そう俺が難しい顔をしているとせいなは
『そんな難しい顔しなくて平気だよ、ただのアプリだから』なんて笑って言ってきた
「うむ、そうだな」なんて簡単に俺は返した
『これはね写真を撮ってその人の年齢と性別を測定してくれるの!面白そうでしょ!』そう目を輝かせて言われると下手なことは言えなかった…
『さっそく使ってみよー!』その言葉と同時に
せいなのスマホのカメラは俺に向いた
じっとしててねー、なんて一言いってカシャっとシャーッター音がした
『よし!撮れた!…お、弦一郎は何歳だろー』
せいなはいつも楽しそうでいいな…
そんな事を思ってるとその刹那
せいなが声を上げて笑った、笑いすぎて腹も抱えている
「どうしたんだ…?」そう言いながらせいなのスマホを見るとそこには…
【性別☞男性】
【年齢☞28歳】
そう表示されていた…
嘘だ…俺はまだ中学3年だぞ?15歳だぞ…?
腹を抱えてるせいなをよそに俺は1人で呆然としながら立ち尽くしていた。
老け顔とは周りによく言われるが20代後半に見られるとは…
い、いやきっと写真が悪かったんだ。
そ、そうだ…
未だに笑っているせいなに俺は
「もう1度写真を撮れぇぇぇぇ!」と叫んだ。