第4章 海デート【真田】
俺たちはパーカーなどを脱ぎ
いざ泳ぐぞ、という時にせいなが俺の方を向いて
『海に一緒に来てくれてありがとう。久しぶりのデート楽しもうね』なんて嬉しいことを言ってきた
このセリフには俺も少し赤面してしまった
あぁ…俺はとことんせいなに弱いな…
そんな事を思っているとせいなが
『早く入ろ!』と、急かしてきた
そんなに急いでも海は逃げんのにな…
急いでいると転ぶぞ、そんな事を思ったのはつかの間
俺の考えたことは的中しせいなは足を踏み外し
グラッと体制を崩しドンッと音を響かせながら転んだ
いっててぇ〜、なんて尻を付いて言っている
「おい、大丈夫か?」そう俺が尋ねると
『うん、へーき!楽しみすぎて足踏み外しちゃった…ニコッ』そう返してくるせいなに俺は危ないから、と告げ
もう1度手を繋ぐ
危なかっかしい彼女だ…
海水に足が触れる、この冷たさ心地よい
手を繋いだままキャッキャとひとりではしゃいでいる
せいなを見ると俺も子供みたいに遊んでやろう、なんて思うと手を引き少し深いところに行く
『お腹まで水に浸かると少し寒いね、クスッ』そう言いながら笑うせいなに俺は少し意地悪をした。
手で海水をすくいせいなにかけた
キャッと反応するせいな
こんにゃろーっ!と反撃してくる
この時間がずっと続けばいいのにな、ずっとせいなと戯れていたい
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夕方
日が落ちてきた。帰るために電車に乗る俺たち
せいなは少し疲れていた。あんなにはしゃいでいたら疲れるのは当たり前か…
あっ!なんて顔を俺はした。
俺はふと思い出した
何をか?って
それは…
せいなにだけ聞こえる小さい声で
「水着姿、とても似合っていたぞ。可愛かった」
そう微笑んで告げると
俺の方を向いて満面の笑みで
『ありがとう!』と言ってくれた
日焼けのせいなのか照れたのかせいなの顔は少し赤くなっていた
【完】