第3章 俺は嫉妬深い【幸村】
『あれー仁王行っちゃったねーまだ昼休み終わらないのに。せっかく一緒に食べてたんだから最後までいればいいのに…』
イラッ
仁王がいなくなったのにまだ仁王の話か?
せいなの今の発言はどうしても頭にきた
昼食は毎日俺とふたりで食べるのが当たり前だっただろ?
なんで俺の前でこの期に及んでも他のやつの話をする?
やっと二人になれたのに…
こんないつもの爽やかな幸村精市、では考えないような事ばかり考えてしまう
でも1度キレてしまえば抑えることは出来ず
俺はせいなの唇、首、鎖骨に思いっきり噛み付いた
「ねぇ、俺と2人きりになれたのにほかの男の話…?
流石にそろそろ俺も怒っちゃうよ…?」
笑顔でそうせいなに言うと
『もう怒ってるくせに…』
目が笑ってない、なんて返されてしまった。
でもせいなが悪いんだよ?俺を怒らせたんだから…
また俺はせいなの唇に噛み付いた、その次は耳、その次は…
キーンコーンカーンコーン
昼休み終了の鐘だ、俺は内心クソッなんて思いながら
せいなから離れた
『昼休み終わっちゃったね…』噛み付いた跡をつけた
せいなが言う
「…そうみたいだね。あ、放課後覚悟しておいてね?」俺はそうせいなの耳元で囁くと
せいなは青ざめた顔をして『…は、はい』と返事をした
俺は嫉妬深いんだ、好きな人には俺以外を見て欲しくない、話してもほしくない
俺に惚れられて、せいなが俺に惚れたのが幸か不幸か…
でも惚れたからにはもうせいなの事は手放さないよ?
そんなことを思いながら俺はせいなに手をさしだす
せいなはギュッと俺の手を握った
俺は恋人繋ぎして他のやつに見せつけるかのように教室まで一緒に戻ってきた。
【完】