【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第7章 3rd Night【エドガー・ブライト】※R-18
月小屋の馬車の中。
レイアとエドガーはずっと沈黙していた。
道中、雨が降り始め
月小屋に到着する頃にはかなり雨足が強くなっていた。
「早く中へ」
エドガーに肩を抱かれながら小走りに中へ入るが、雨に打たれるのを免れることはできなかった。
レイアは取り急ぎタオルで髪の水滴を拭き取った。
ブラウスが雨と汗で張り付き、一刻も早く脱ぎたい衝動にかられる。
「濡れちゃったね」
「……よければ先にシャワーを使ってください」
「えっ、いいの?エドガー寒くない?」
「俺は大丈夫ですよ、さぁどうぞ?」
「う、うん……ありがとう」
エドガーの服もかなり濡れている。
レイアはクローゼットからバスローブを出し、エドガーに差し出した。
「あの、これ……濡れてる服着てると風邪引いちゃうから、よかったら先に着替えてて?」
するとエドガーは目を見開き、しばらくレイアのことを黙って見つめた。
(…………えっ?)
「じゃ、じゃあ私は先にシャワー借りてるねっ…」
答えのないエドガーに恥ずかしさがこみ上げ、レイアはそのままバスローブを押し付けてシャワーを浴びに足を向けた。
(はぁ…エドガーって、なんていうか…緊張するなぁ)
動物園では少し打ち解けられた気がしたのに、途中からやっぱり距離を感じてしまった。
(お手洗い行った時のこと…怒ってるのかな……)
でも、私がこの儀式から逃げたところで…困るのは私とヨナだ。
全てはヨナと無事結婚するためにやっている儀式だ。
(逃げることを心配してたわけじゃなかったのかな)
身体が温まり、浴室のドアノブに手を掛けたところでレイアはハッとした。
(しまった………)
自分のバスローブを持ってくるのを忘れてしまった。
(………うぅ、仕方ない)
全裸で馳せ参じるよりはマシだ、と言い聞かせながら、羞恥心に必死に耐えつつレイアはエドガーを呼んだ。
「……エ、エドガー……」
少し間をおいて、バスローブ姿のエドガーが現れる。
「俺のこと今呼びました?」
浴室から顔だけ覗かせながら、レイアは頷く。
「あ、あのね…バスローブ…取ってくれる?」
状況を理解したエドガーはぷっと吹き出すと
「少しお待ちくださいね」
と奥へ向かった。