【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第5章 2nd Night【ヨナ・クレメンス】※R-18
Jonah side--------
明け方…。
ヨナの隣には、まだ『返還の指輪』を嵌めたままのレイアが、すやすやと眠っている。
(はぁ……しばらく離れ離れ、か)
しかもよりによって今日はエドガーだ。
優しき悪魔は、愛しい人に一体何をするのか。
心配でならない。
ベッド横のチェストの上に自分の嵌めていた指輪を置いた時、外で馬の蹄の音がした。
(え?エドガー…早くない?)
ヨナは名残惜しそうにレイアの頬を撫でると、急いで外へ出た。
「ちょっと、到着が早すぎない?」
開口一番文句を言うヨナに、エドガーは爽やかな笑みをたたえて答えた。
「おはようございます、ヨナさん。ええ、そうですね」
「ええそうですねじゃないでしょ。まだ1時間以上ある」
「あ、まだやり残したことがあるんだったら俺外で待ってますからいいですよ?」
「お前が外で待ってるんならもう何もできないよ…」
「遠慮しなくてもいいのに」
エドガーの笑顔は全く崩れない。
「すみません、早く来たのには訳があります」
「何だよ」
苛立ち答えるヨナに、エドガーはひどく冷静な眼差しで答えた。
「……どうやら、旧アモン派の残党がセントラルで動き始めているようなんです」
「……は?!」
寝耳に水だったヨナは、目を見開いた。
「俺の部隊の中に……セントラルの中で極秘に活動させている精鋭が数人いるんですけど、彼らの報告によればどうやらこの『返還の祭典』の情報をかぎ回っているみたいで」
「……どういうことだよ」
「そうですね、端的に言えば……」
エドガーの笑みがすっと消えた。
「……アリスがまた狙われるかもしれないってことです」
「……!!!」
ヨナは思わず、月小屋を振り返る。
(アモンはやっぱり……生きてるのか…?!)
「ランスロット様が早急にヨナさんとこの件について打ち合わせしたいそうですよ」
「……そういうこと。わかった」
「1時間後に馬車の手配をしてありますから、俺の馬を使ってください」
「……ありがと」
ヨナはエドガーが乗ってきた馬に乗ると、再び月小屋に視線を投げる。
「………」
「…何かアリスに伝えることでも?」
「いや……」
複雑な表情のまま、ヨナは月小屋を後にした。