【イケメン革命】月小屋続編◆返還の祭典【R-18】
第14章 DAY7【シリウス・オズワルド】
AM6:00
「さすがオッサン、朝が早い」
「オッサンは余計だろうが」
迎えに来たシリウスに、レイは早速けしかける。
「お嬢ちゃんは?」
玄関先から中を覗き込むシリウスに、レイの後ろからレイアが顔を出す。
「起きてるよ!おはようございます、シリウスさん」
「おはよう。じゃ、一旦兵舎に戻るか」
降り注ぐ朝日の中、三人を乗せた馬車は黒の兵舎へと向かった。
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「お嬢ちゃん……今日のデートなんだが……」
朝食を終えた後、シリウスは少し言いづらそうに切り出す。
「セントラルに連れてって楽しく過ごさせてやりたかったんだが、事情が変わってな…ちょっと手伝ってくれるか」
「もちろんです!で、何をお手伝いすれば?」
いつも忙しそうにしているシリウスのことだ、きっと急な用件で手一杯なのだろう。
「ん、とりあえず…一緒に来てくれ」
身支度を整えたレイアは、私服姿のシリウスと玄関先で合流する。
「今日は悪いが俺の実家に行っていいか」
「え?……あ、はい」
確かシリウスの実家は黒の領地の花屋だ。
一度も訪れたことはないが、兄弟が沢山いるという話は聞いたことがある。
兵舎を出て、並んで歩きながらシリウスは切り出した。
「実は、ばあさんの具合があまり良くなくて、病院に連れて行く間店番を頼まれてな」
「えっ……お祖母様大丈夫なんですか?」
「ああ、今すぐどうこうってやつじゃない……まぁ歳も歳だし付き添いがいねぇと一人で病院はちょっと難しくてな」
「そうでしたか…」
「ま、心配はいらねぇよ。それより……店番の方が、今日は大変かもしれねぇな」
「………え?」
そうこう話しているうちに、シリウスの実家の花屋に到着する。
「おう、お前ら準備どうだ」
「あ、兄ちゃんおはよう!」
兄弟たちがぞろぞろやって来る。
「わぁ、このお姉さん誰?兄ちゃんの彼女?」
「えっ!!」
何気ない子供の一言だがレイアはどきりとして慌ててしまう。
「こーら、挨拶もなしにそりゃねーだろ?今日手伝ってくれるレイアだ」
「おはようございまーす!!」
「お、おはようございます…!よろしくね…!」
シリウスの兄弟たちはそのままはしゃいで奥へ戻ってしまった。
あとから長女らしき女性が現れる。