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【アイナナ】シルエット・デイズ

第1章 寝起きとアイドル


「おはよう陽菜乃!!」

「ん...おはよう陸...さん。」

寝ぼけ眼をこすり顔をあげる。そこには、テレビで見るのと何も変わらない所謂“アイドルスマイル”を私に向ける七瀬陸がいた。

「陽菜乃の方が俺より年上なんだし、さんはつけなくても良いって俺言ったよ?」

私が彼に対し「さん」をつけたのが気にくわないらしい彼は、ムッとした表情で私を見ている。
もしこれが、学校のクラスメート。みたいな関係だったら二つ返事でその条件を飲んでいただろう。しかし私たちの立場は「マネージャーとアイドル」なのであって、いくら歳下で一つ屋根の下で暮らしているとはいえこの純真無垢なアイドルには、自分の立場を分かってほしい..,。

「それに大和さんには年上なのにヤマって呼んでるよ?」
「.....えーっと」
「敬語も使わず気楽に話してくれるのに、どうして名前はダメなの?」
「....。」
「あと、一織や環もさん付けはしてないよね?」
「そういえば、そうだったかも....??」
「陽菜乃って、俺のこと嫌いなの?」
「そんなわけないよ!陸さんはみんなに好かれる性格してる!」
「じゃあなんd」
「っあー!私ちょっと今日は忙しいから早く準備しなきゃ!ごめんね陸さん。また今度!」

言葉で状況が打破できないと見た私はとりあえずその場を抜け出そうと走った。

「待ってよ陽菜乃ー!」と私の背中に向かって叫ぶ彼には申し訳ないが、これには深いわけがあるもので....。

「おう、おはようさん。陽菜乃チャン?」
「....ヤマ」
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