第1章 は
__マリンフォード 第2の頂上決戦
「ハナ〜〜〜!!」
ルフィの声が響く
ハナはただただ処刑台から
遠い地面に広がる血を見ていた
私の為に流れた血を
目的は違えどこの争いは私が事の発端だ
ナミは必死に応戦する
「諦めない!ハナを絶対助ける!」
「皆……!」
NAME1#はただ泣いた
だがみえる未来は残酷だ
こんなに素敵な私の仲間は
あと三時間で
__皆死んでしまう未来なのだ
「……させるもんか」
海楼石の手錠がじゃらりと音を出す
私は少し仰け反った
「!」
「あんまし動きんさんな……すぐ終わるけぇのぉ」
赤犬ことサカズキの右手からぼたりとマグマが落ちる
ジュッと音がしコンクリートを溶かした
「……終わらせない」
「あァ?」
赤犬は首を傾け、半ば苛立ちながら返した
「こんな未来で終わらせない……
貴方の想像通りになんかさせない!」
ぐっとハナは手錠に力を込める
「何を企んどる__」
瞬間、
ハナは海楼石 だ っ た はずの手錠を壊した
「っ……!」
「!? おどれ……!」
サカズキがハナに手を伸ばす
ハナは不敵な笑みを浮かべながら、処刑台から飛び降りた
すぐさまサカズキは攻撃する
「自決!?させるかァ!……流星火山!」
「ただで死なない……やり直す」
ハナは頭上に降り注ぐマグマを見つめた
きっと大丈夫
やり直したって彼等なら
「ハナ?!」
ルフィ達は許してくれるかな
私が今から
「ルフィ……約束破ってごめんね」
私が皆に会って築き上げた思い出も何もかも
__消してしまうことを
宙に手を伸ばす
目を開け全ての歴史をみる
たとえ今の私が消えたっていい。
__きっと、このままよりはマシだ
「ab initio……全てを、はじまりへ……!っが」
途端、ハナの口から血が溢れた
「ハナ?!やめろォォォォ!!!!」
ルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップ、ナミ、
チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック、
ありがとう
「……あの日に戻って、全部思い出すんだ」
皆でまた笑えるように
眩い光が目を刺した
微かな視界の片隅にぼんやりと映る赤い雫と
仲間達の声が、聞こえた気がした