第3章 浅葱色の哀愁
「少し落ち着きました
…主さん」
「ん? どうしたの?」
「僕、加州さんに早く昔のこと思い出してほしいと思ってしまいました
少し…刺激するようなことしちゃいましたし…
何とかならないですかね」
今、こんのすけとは焦らずにとは気をつけているけど
何も進んでいないのも事実
そろそろ何かきっかけになることの一つでもあっていいかもしれない
そういえば、さっき堀川は言っていた
「清光は、陸奥守と話をして、新選組の事を否定したんだね?」
「多分…そうだと思います」
「なら、今の清光は何にでも影響される…真っ白な状態とは考えられないかな
だから、陸奥守と話をすれば、その思考にも影響される」
そして、白だからといって何色にも染まっていいわけではない
歴史の中で彼を彼たらしめるのは、新選組の刀であったという事実
元の色に戻さなければ意味がない
「なるほど…じゃあ新選組のことを思い出すのは、染め直しの作業ってわけですね」
「うん
そして今、この本丸でそれができるのは…」
「僕しかいない」
手を顎に当てて、難しい顔をして唸る堀川
それはそうだ
口で言うのは簡単だけど、具体的にどうすれば…というところだろう
でも、私の中には1つ案があった