第11章 平和……?
「洗い物しゅーりょー……食堂まで来たのに愛染君……愛染だけか」
親しみを込めて呼び捨てにしたいとこだけど、慣れない。
審神者として堂々としたいところではあるけど……燭台切さんとか三日月さんみたいな大人って感じの人を見るとさん付けしたくなるし、ショタっ子はもちろん君づけで呼びたくなる。
無理せず好きなように呼んだ方がいいのかな……
「まあ、たくさんの名前を聞きすぎて顔と名前が一致しないんだけッ…いたっ……あ、す、すいません」
?「あ、いやこちらこそ」
誰かにぶつかったと思ったらまたしても知らない人だった。
あぁ、あれだ薄紫の髪の……
「……あ、私は審神者です!」
?「あぁ、知ってるよ。手入ればかりいている審神者だと聞いてるよ」
「違いないですけど……では、改めて……私は審神者のなつみです。よろしくです」
蜂須賀「俺は蜂須賀虎徹だ。こちらこそよろしく」
「…………」
蜂須賀「どうかしたかい?」
「あ、いや……もっと、は?お前が審神者?俺信じないから近寄るなよ……みたいなこと言われるかなって」
蜂須賀「とてつもなく失礼なこと言うね」
よろしくと言って返ってきた言葉もよろしくだと嬉しいけど、ちょっと拍子抜け。
もっと警戒されたりするものだと思っていたから余計にだ。
綺麗な人だし、心も綺麗なのかな……
?「蜂須賀兄ちゃん!」
蜂須賀さんの後ろから声が聞こえてビクッとしてしまった。
ひょこっと後ろを覗き見ると蜂須賀さんと一緒にいた……
「……こんばんは。私は審神者のなつみです」
金髪の少年だった。
可愛らしい顔をしているが……今、兄ちゃんって言わなかっただろうか。