第2章 始業式
そして、始業式が始まった。
『学年章の授与に移ります。新1年生総代 薙切えりな』
えりな「はい」
「ああ…えりな様今日も麗しい…」
「あの美貌でしかも首席…まさに完璧超人!」
「内部進学試験全科目ぶっちぎりで一位だったらしいぜ」
えりなの噂話で、ざわざわとする周囲。
「一日デートできたら俺死んでもいい…」
「バカっ滅多なこと言うと学園から抹消されるぞ」
「─続いて式辞を頂戴いたします」
学園から【抹消される】とは、追放である。
「相手は食のマフィアを率いる首領の─」
「実の孫娘なんだぜ?」
薙切仙左衛門。遠月学園総帥。
権力とは、恐ろしい。
(怖ぇぇぇぇ!!!)
(遠月学園…ひいては日本の料理業界を牛耳る美食の権化!マフィアの首領ってレベルじゃねぇ…)
(魔王だ!食の魔王だ!!)
…相変わらず完璧超人だなえりなは
そして式辞は薙切仙左衛門で学園総帥
えりなは孫娘だ
震え慄く生徒をよそに、薙切仙左衛門は語る。
総帥「諸君、高等部進学おめでとう!諸君は中等部での3年間で調理の基礎技術と食材への理解を深めた。
そして今高等部の入口に立ったわけだがこれから試されるのは技巧や知識ではない」
総帥「諸君の99%は1%の玉を磨くための捨て石である。
昨年の1年生812名のうち2年生に進級できたのは76名」
…半分以下か
総帥「無能と凡夫は容赦なく切り捨てられる、千人の1年生が進級する頃には百人になる。
その一握りの料理人に君が成るのだ!研鑽せよ、以上だ!」
総帥の言葉に皆が声を出し喜んでる
『えー最後に高等部から編入する生徒を1名紹介します』
「へぇー高等部からなんて珍しいね」