第2章 始業式
薙切えりなside
遠月のブランド力の根源はこの徹底した競争による少数精鋭教育にある…
「在籍したことがある」というだけでも料理人として箔がつき、卒業まで漕ぎ着ければ一生、料理界のスターダムを歩むこととなる。
私やと同じ世代の君たちを気の毒に思うわ…
生まれた時から「三位争い」を宿命づけられているのだから!
遠月の頂点、そして日本の料理界に君臨するのはこの私たち、薙切えりなと綾瀬よ!!
「えー最後に、高等部から編入する生徒を一名紹介します」
!なるほど…私とは別の審査で合格者が出たのね
あの男の姿が浮かぶ。
ふん…思い出すだけで腹立たしい
まぁいいわ…もう二度と
創真「やー…なんか高い所からすみませんねーへへ…」
創真「所信表明でしたっけ?まいったなーやんなきゃダメですか?だ、壇上とかこそばゆいですよー」
「いいからさっさとしなさいっ!」
創真「じゃー手短に二言三言だけ…」
ふーん、こんな人なのね…ってえええぇえ?!
何で…何であいつが…!私はっ!私はコイツを落とした筈なのに!
創真「えっと…」
創真「幸平創真っていいます。この学園のことは正直─」
創真「踏み台としか思ってないです」
は?ふざけているのかしら?
創真「思いがけず編入することになったんですけど客の前に立ったこともない連中に負けるつもりはありません。入ったからには」
創真「てっぺん獲るんで」