第4章 遠月十傑評議会
一色慧side
全「ポワレ!?」
全員の声が一致しているね…で、でも
#1NAME#「何であんたも驚いてんのよっ!!」
鋭いツッコミを入れる#1NAME#ちゃん。
うん。何で創真くんも驚いているのかな?
創真「いや、ポワレって何だろーと思って…」
「はぁ!?」
一色「教えてもらえるかな創真くん…なぜ君がフランス料理の技法を─?」
ポワレ、フランス料理における素材の焼き方【ソテ】の一種でパレットナイフ等を使い、素材を押さえながら均一に焼き色をつける技法。
臭みが出ないよう魚から出た脂を逐一捨て、オリーブオイルを足しつつ焼く必要がある。
「やー…この焼き方はウチの親父に習ったんすよ。魚をバリッと仕上げるにはもってこいだってね」
ほほぉ…ポワレを知らずにやっていたことは本当に驚きだよ…
ごはんと一緒にザクザク食うのもいいし、昆布茶にひたして少ししんなりさせるとまた違う食感が楽しめるんだ。
どっちにしてもこの品には外せない調理法だね
ということは、創真くんのお父さんって…
一色「君のお父さんはフランス料理の修業を?」
創真「やーそれが俺にもよく分かんなくて、どうもいろんな国で料理してたみたいだけど…」
まさかおにぎりの具をフレンチの技で作るなんて国境やジャンルに囚われない、何て自由な料理だろう!
そしてポワレは皮に厚みがある素材に向いている。鮭…そして鰆は皮に適度な厚みをもつこの調理法にピッタリの魚!
彼はそれを瞬時に見極め、メニューのアレンジを組み立てた…
純白に輝くお米はさながら雪の様。その中から力強く現れる鰆はまさに、春の生命力そのもの!
彼は春の始まるその一瞬を、この品で表現したんだ─
今度は全員が食べる。
創真「御粗末!」
創真くんのその【合図】と同時に、春は始まるっ…
め
めばえ……