第4章 遠月十傑評議会
Noside
いい香りが辺りに漂い始め、悠姫は目を覚ます。
悠姫「むん…?う~寝ちゃったかぁ……あれ?幸平また料理してる」
続いてもう一人もそれを思っていたようだ。
涼子「まだお腹すいてるのかしら」
伊武崎「料理対決だってよ」
悠姫「おおう伊武崎!起きてたの?」
伊武崎「ちょっと前からな」
そこで、吉野悠姫は料理対決という言葉に興味を示す。
悠姫「…って二人が料理対決?何で何で!?」
伊武崎「さぁな…でもどうやらこの勝負
一色先輩がふっかけたみたいだぜ」
対決中の二人の現状は皆、わかっていなかったようだ。
皆「………」
対決中の二人は無言のまま笑っているが、その背中には闘志で燃え上がる炎が周りには見えた。
悠姫「この場合先輩の服装にはコメントいらないの?」
涼子「せっかくの対決に水を差すのは悪いわよ…」
伊武崎「………」
――――
一色慧side
創真「完成だ!」
創真くんが完成したようだ。実は、彼には一目置いてるんだよねぇ
創真「ゆきひら裏メニューその20(改)、鰆おにぎり茶漬けだ!!」
おっと一見これは普通だね
創真「本当は鮭で作る品なんだけど本日は鰆バージョンで作ってみました。さぁ、皆でおあがりよ!」
涼子「注いであるのはなぁに?」
創真「塩昆布茶だよ。優しい塩気とコクが食事の〆にぴったしだからね」
成程…だが
悠姫「もー!!こんなの出されたらお腹減るに決まってんじゃん!」
しかしこれではあまりに普通のお茶漬け…いかにも大衆食堂で出される品といった所だが、
さて─
!!
僕は食べた途端、驚いた!
一色「ん~」
美味いっ!
あまりの美味しさに、声を出してしまう。
「鰆の身がすごくジューシーで…何より皮のこのザクザク感!噛む度に旨みが湧き出てくる!」
涼子「ただ炙っただけじゃこの歯応えは出ないわ。一体どうやって…」
みんな大絶賛だね、そしてこれは、
一色「【ポワレ】だ…」
一色「この鰆【ポワレ】で焼き上げられている!」