第12章 蒼依の実力
部活終了後
縁side
縁「蒼依、ボールの片付けしよう」
蒼「わかった。じゃあ私、右半分のコートの奴片付けるね」
蒼依が副マネージャーになってくれて、かなり仕事の負担が減った。私だけだと効率悪くて悪くて…。
高「手伝うぜ~」
縁「あ、ごめんなさい。高尾君」
ボールを片付けながら、高尾君がボソッと言った。
高「なあ、縁ちゃん。いつまでオレを名字の君付けで敬語なわけ?」
へっ!?
縁「…ダメですか?」
高「彼氏って感じがしない」
縁「ううぅ……」
高「千歩譲って君付けは許せるけど、名字と敬語はダメ」
縁「ううぅ…生来の癖です…」
高「じゃあオレを使って直そう!!」
縁「ムリですよ……16年間これでやってきたんですから…」
高「ムリだと思ったらそりゃムリだぜ。敬語は難しくても名前呼びはできるだろ?今日呼んでくれたじゃん」
縁「…和也…君」
高「ん。良くできました。じゃ、敬語も直そう。蒼依ちゃんにタメなんだからいけるって」
縁「…はい…。頑張りま…頑張る…」
高「ゆっくりでいいぜ。16年間やってきた癖はなかなか直らないからな」
縁「あ、ありがとうございま…ありがとう、高…和也君」
あ~あ。大変だぁ…。
でも高…和也君の為って思ったら頑張れる気がする」
ボールをすべて片付け終わり、蒼依を待つ。
蒼依は緑間君に手伝ってもらっていて、じきに終わった。
高「片付け終わったな。んじゃ帰ろーぜ」
縁「はい、じゃなくてうん」
蒼「?」
緑「ああ」