第12章 蒼依の実力
緑間side
迂闊だった。まさか先制点を許してしまうとは…。
だが、負けはしない!!例え相手が蒼依だろうと、勝負は勝負だ。
スッ
蒼依side
な、まさかいきなりシュートを打つつもり?
緑間side
シュッ…
オレは負けん。今日のラッキーアイテム、熊の置物も持ってきた。爪の手入れも完璧だ。
だから、オレのシュートは落ちん。
スパンッ
緑「オレのシュート範囲は、コート全域だ」
蒼依side
まさかコート全域が範囲なんて…。正直勝率なんか限り無く0。
だけど、楽しい!!
高尾side
真ちゃんも蒼依ちゃんもスイッチが入ったな。どうなるか、想像もつかねーや。
縁side
蒼依も緑間君も凄い。
どちらも一歩も引かない。
どうなるんだろう。
蒼依side
ダンッダンッダンッ
なら、まずは右からっ
緑間君は余裕でディフェンスにくる。
ボールを右手から背中を通して左手に移す。今度は逆。
次は前で。
規則性を作らないように惑わせる。
緑間side
この動き。確かに読み取りづらいが、青峰ほどじゃないのだよ!!
蒼依の右手ボールが来て、を取ろうとしたとき、蒼依はさらに右へバウンドさせた。
な…に?
蒼依side
ボールを右へバウンドさせた。
別に出そうなんて思ってない。むしろ、逆!!
ボールの軌道を読み、その場所へ瞬足で移動し、ボールをつかむ。
言うなれば、自分で自分にパスをした。
これならゴールまで行ける。
ゴールの下まで行き、ジャンプする。
やっぱりダンクの方が楽だな。
ゴールにボールを叩き込もうとしたとき。
パシッ
視界からボールが消えた。
緑間君がブロックしていた。
私は空中でバランスを崩した。着地に失敗し、ドサッと倒れる。
蒼「っ!!」
じーんと痛みが体を走る。
と、視界が暗くなった。
緑「蒼依!!大丈夫か?」
緑間君が近くにかがみこんでいた。
縁高「蒼依/蒼依ちゃん!!」
高尾君と縁も走ってきた。
無理やりぐいっと体を起こす。
蒼「大丈夫、大丈夫だよ」
笑顔で言う。
緑「無理をさせてすまなかったのだよ」
縁「武道を極めてる蒼依だから、大丈夫だとは思うけど、今日は一応やめておきましょう」
高「いやぁ、すげーな。真ちゃんと互角にやり合うなんて」