第2章 決勝
ピーッ
ホイッスルが鳴りボールを片付け整列
「これより、全中予選決勝、桜華女子学園中等部対北川第一中学校の試合を始めます」
「お願いします」
主将と握手を交わす。
先にサーブ権をもらった
決勝1投目サーブは空条美沙
「美沙ナイッサー!」
と叫ぶ
「空条さんナイッサー」
「美沙ナイッサー」
たくさん飛び交うチーム内
パシッ
キレイなサーブが相手のコートへ
相手のセッターが拾い
そのまま返ってくるボール
「チャンスボール」
リベロの長嶋ちゃんが拾いわたしへと繋がる
うちの仲間たちはみんな打つ体制ができてる
相方をみると目が合い
よしっいけるっ
1番遠い美沙へと。
しっかり打ってくれて
ばしっ
相手のコートに落ちるかと思われたボールはこっちのコートへ
長嶋ちゃんがしっかり拾ってくれて高く上がるボール
わたしはボールのもとへと走り再びトスを呼ぶ美沙へとあげる
ばしっ
またブロックに引っかかり戻ってくるボール
何度でも何度でもあげる
うちの仲間たちはみんな強い
長嶋ちゃんが拾いわたしへと返ってくる
美沙はマークされてるんだ。
打つ体制ができてる理香子ちゃんへと短いトス
ばしっ
ボールが落ちてきたのはこっちのコート
必死走るけど
間に合わないっ
必死に手を伸ばして体をスライディングさせる
ドンッ
長嶋ちゃんと美沙と私が向かい合わせで
私たちの真ん中へと落ちるボール
一点先取されてしまった。