• テキストサイズ

いちご☆恋模様

第2章 面白い奴


「お疲れー」
「山崎先輩、お疲れ様です」
「おう、お疲れ」

練習後、着替えを終えた俺は、他の奴等に挨拶を返しながら更衣室を後にした。そして、少し歩いたところで、またあいつにばったりと出くわした。ええと、名前は確か・・・と考える間もなく、口から言葉が出てしまっていた。

「お、いちご」
「げ、山崎宗介」

ちなみにこの台詞は全くの同時だった。

「いや、『げ』ってなんだよ」

あとなんでフルネームなんだよ、と言おうとしたが、俺の言葉は遮られた。

「私、い、いちごって名前じゃないです!私の名前は長島ヒカリです!さっき言いました!」

どうやら『いちご』と言ったのが相当頭に来たらしい。すごい剣幕で怒っているが、その顔は真っ赤で、いちごそのものだった。余計怒らせるとわかってはいても思わず言ってしまう。

「おお、悪かった・・・いちご」
「ま、また・・・ぅぅ~~っ!!」

予想通り更に顔を赤くして怒る。その反応に思わず口元が緩んだ。

「あんま怒るな。余計、いちごみてえな顔になるぞ」
「へ?や、やだ・・・ぅぅ・・・もう・・・」

いちご(本名よりもこっちの方がしっくりくる)は火照りを冷まそうとしているのか、自分の頬をペタペタと叩いたりしている。その仕草が面白くて、更にからかいたくなったが、やめることにした。こいつは江の後輩だから、言い付けられたりしたら、面倒なことになる。
/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp