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いちご☆恋模様

第7章 いつもと違う帰り道とやっと気付いた気持ち


「へ?えっと・・・何か?」
「あー・・・いや・・・その・・・お前の番号とアドレス、教えとけ」
「へ?」
「あー・・・ほら、岩鳶で連絡先わかるの江しかいねえし・・・不便だろ」
「あ、ああ。それもそうですよね」

宗介さんが言いづらそうだったから、一体何を言われるのかと身構えてしまったけど、拍子抜けというか、ホッとしたというか・・・

携帯を出して、お互いに交換し合った後、なぜか宗介さんは自分の携帯の画面をまじまじと眺めている。

「どうかしましたか?」
「いや、お前のアドレス、いちごなんとか、とかそんなんじゃねえんだ、と思って」
「も、もう!そろそろいちごから離れて下さい!あれからもうはいてないし!」
「・・・はいてねえのか」
「や、そ、それは、あの・・・も、もう!何言わせるんですか!!」
「はっ、お前が自分で言ったんだろ」

宗介さんは顔をくしゃりとさせて笑う。また胸が大きく音を立てる。でも、それと同時にいつも通りに話せて、なんだか安心した。


「あの、それじゃあ私、家に入りますね」
「おお」
「本当にありがとうございました。それじゃ」

そう言って、私は今度こそ家に入ろうとした。そして、宗介さんに背を向けたその時だった。

「・・・・・・じゃあな、ヒカリ」
「!!え?!あの、今・・・」

私が振り返った時にはもう宗介さんはスタスタと歩いて行ってしまっていた。
・・・聞き間違えじゃない。初めて宗介さんが『ヒカリ』って・・・・・・



宗介さんの声がまだ私の中に響いている。
心臓は痛いくらいにドキドキしている。


・・・やっと私は気付いた。意地悪だけど、本当はとっても優しい宗介さんに、私は恋してるんだってことに。
このドキドキも頬の熱さもみんなみんな・・・宗介さんのことが大好きだから。
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