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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第10章 異世界紳士と秘密情報


「まぁ、要するに元ZI7の私ですが
完全に断ち切ってきたので
ティナと敵対なんて事はありません
誤解が生まれる前に伝えたかったのです」


フィルさんは自分の昔話を話し終えた
窓から指す月光が
フィルさんの美しい顔立ちを引き立たせる


「そうなんですね…
まさか、私の事こんなにも知っているなんて…
ルミデウス国まで…」


しかも王女の身分バレてたんだ…




…ん? 王女ってバレてる…?


「あの… つかぬことをお聞きしますが…
初対面から私が女って事を…」


「ええ、ご存知ですよ
突然目の前に現れた時はとても驚きましたよ」


やっぱり…!



「もう、私ってダメダメですね…
女性禁止の部署で女ってバレるって…」


「恐らく皆さん気がついていると思いますよ♪」


ああ… ダメじゃん私…
ホールさんとフィルさんは最初から知ってて
エリオットの洞察力で見破られてるだろうし…
オリヴァーはどうだろう…?

でも気がついてそうだよね…


「でも、女だからといって
ティナの事を
部署から追い出そうとする人はいませんし
寧ろ歓迎していますよ
大切な仲間じゃないですか」


「そう言って貰えると嬉しいです…
生きて帰れるかわかりませんが…」


とりあえず、今は脱出しないと…


「私の命をかけてでもティナを守りますよ」


不意にフィルさんがそう言った

え…?

やたら最近こんな事が多いような…?
ホールさんにも言われたな…


「ZI7にいた時から
ティナの事を心配していたのですよ
守らせてください…
それとも、私では役不足でしょうか…?」


「いえいえ…! とんでもないですよ…
私も迷惑かけないようにします…」


…びっくりしたなぁ

フィルさん本当に美しいから
そんな優しい眼差しされちゃうと
クラクラっと… しちゃうよ…


「まず縄を解きましょうか…?」


ああ… そうだ 集中しないと

ここから逃げる…

…そう、逃げて国を救うの

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