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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第10章 異世界紳士と秘密情報


仕事でここまで失敗した事がない

lexxにしても 909にいた時も

常に死と隣合わせで
仕事をしていたのも自覚している
でも、死ぬことは無かった


「人生でここまで仕事で失敗したの初めてです…」


「そうなのですか? 奇遇ですね
私も独裁国家に縄で縛られるなんて初めてです♪」


「これからどうしましょうか…?」


「ティナ、身体が重く感じませんか?
恐らく、私たちは狙われていました
部屋を出た後に
即効性の睡眠薬を嗅がされたのでしょう
私も身体が重いです

…すぐに脱出は不可能に近いですね」


そう言われてみればそうだ
身体が重く、動こうとする気力もない


フィルさんの長い髪が月の光を浴びて
輝きながらも床についてしまう

んん… 折角綺麗なのに悲しいなぁ…


この部屋には私たち2人だけ

恐らく外には監視員がいるだろう

電気はついていない
が窓から零れる月明かりで
辛うじてフィルさんが見える


「…死ぬんですかね」


死にたくは無い
復讐を果たせていない
ZI7に……



「そうですね… 殺される可能性もあります
でも、死ぬ前に…

私からティナに
伝えなければいけない事があるのです」


「そんなフィルさんやめてください
死に行くからそれの冥土話ですか?
それ聞いたら死にそうですダメです」


「そうですか…
でもティナが拒否した所で
止める訳にも行きません
私はティナを騙していた事を謝罪したいのです

…許して貰えないと思いますが」


え?フィルさんが?
特に身に覚えないけど…


「ーーーーー国、ティナ王女
次期の最有力女王にして国を消滅させられ
国外へ逃亡…」




何故フィルが知っているの…?

これは私とレンとアステル最高官しか…



「何故、私がこんなに知ってるかと言いますと
ティナの憎む組織にいたからですよ…


…私は元ZI7の情報処理員でしたから


そしてティナに
私の全てを話さなければなりません…


その後なら私は死んでもいい」



私は思考回路が停止した

それでもフィルさんは話し続ける

フィルさんの過去を…
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