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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第10章 異世界紳士と秘密情報


「フィルはいますか?」


「ネシスかよ!来んじゃねーよ!」


また始まった…
オリヴァーのネシス嫌いは今日も過激だなぁ


「オリヴァーに話はありませんから
フィル、話があります
小会議室で待っていますよ」


「あの〜…
なんでフィルは頻繁に
ネシスに呼び出されてるんです〜?」


「私の前部署が情報処理班でしたからね
ネシスは前上司という感じですね
話す事は毎回同じですよ
調査偵察班を辞めて
情報処理班に異動しろと言われるだけですよ」


「はぁ!?フィルそれ本当かよ!?
クロスさんに訴えればいいだろ!?」


「私が本気にする理由はありませんよ
何しろネシスは大嫌いですからね♪」


ふふふ、と笑ってフィルは部屋を出た


ーーーーーーー


コンコン


「話とは… なんですかネシス」


「フィルやっと来たんですね
それに何故
私と2人の時はいつも不機嫌なのですか?
他の人にそんな態度は見た事ありませんねぇ」


「ネシスの事は上司の時から大嫌いですから
それと…
いつも表情を読み取られないように
その長い前髪で
顔を隠しているのも気に食わないですよ」


「これはこれは… ふふふ…♪」


2人の似たような口調が部屋に響く

フィルはますます不機嫌になっていく


「おっと…
これは失礼しました用件を話さなくては♪
調査偵察班が
私の正体を突き止めたそうですよ
フィルの身元がバレるのも時間の問題ですよ」


ギロりとネシスを睨む


「脅しなら今ここで殴りますよネシス」


「まさか、これは真実ですから
気になるならティナ様とエリオットに
聞いてみてください
脅しではなく、忠告ですよ」


普段は穏やかなフィルが
切れ長の淡い紫の瞳でネシスを睨みつける
長く輝いている銀髪に光が反射して
まるで別世界からきた者に思わせる


「私の身元がバレるなんて言いますけどね
ネシスのせいでこうなったんですよ
やっと貴方から離れられたと思ったのに
ずっと付きまとって…」


背の高いフィルはネシスを見下ろす形になる
それが陰を作り
より一層フィルの怒りをひきたてる


「ネシス、私からも忠告です
ティナに金輪際近寄らないでください
ZI7の人間が近づくなんて
危うく殺してしまいますね私が」


「それは怖いですね
脅しだといいのですが♪」

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