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太宰さんのいもーと【文豪ストレイドッグス】

第1章 妹の悩み


「うん。平気。大丈夫だよ。」

「そうか……ならいいんだ。」

そう云うとそのまま自分の部屋へと足早に向かった。

椅子に座ると足を持ち上げ、体育座りになった。

本当は平気なんかじゃない。

本当は行きたくない。

本当はお兄ちゃんに会いたくない。

会ったところで、

喋ったところで、


きっとお兄ちゃんは許してくれないから。


私はお兄ちゃんと喋りたい。

私はお兄ちゃんと一緒に居たい。

でも、お兄ちゃんは私と一緒に居たくないんだ。

そんなことはとうに知っている。

「お兄ちゃん。」

「やっぱ、駄目じゃねぇか。」

俯いていた顔が一気に上を向く。

「中也……なんで。」

「俺が行くから、手前はここにいろ。」

「やだ。私も……行く。」

「そんなんになっている奴がまだ云うかよ。」

「うん……。」

「俺だけ行く。」

「駄目。」

「なんでだよ。」

「……。中也はどうしてそんなに私に構うのさ。」

「俺は……。ただ……。」

戸惑う中也に私は言葉を畳み掛けた。

「私に構う理由なんてないのに。

寧ろお兄ちゃんと仲悪いから私も嫌いなんでしょ?」

「違う!俺はただ!手前を心配して!」

「なんで!心配する必要なんてないじゃん!!」

すると中也は唇を噛んで云った。

「そうかよ。」


一人ぼっちになった部屋で目をつぶって云った。


「人を助ける側になれ、か。」



無理だよ。

私、人を傷つけることしかしてないじゃん。

そんな人間が助けるなんて、無理だよ。


織田作。
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