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太宰さんのいもーと【文豪ストレイドッグス】

第1章 妹の悩み


「はぁ!?」

正気かよ!?と続ける中也。

「中也には冗談が効かないのかな?」

「手前の冗談は分かりづらいんだよ!」

「結構分かりやすいと思うのだけれどね。

まぁ、方法はなくもないけどね。」

「なんだよ?」

「私が異能で探偵社の社員を8割方消すだろう?

それから中也が人虎を捕まえに行く。

そしたら、敵はお兄ちゃんとかしかいないから少しは楽になる。」

「……やんのかよ、それ。」

「真逆、お兄ちゃんにばれたらそれこそ私は殺されちゃうよ。」

そう云って笑うと中也が云った。

「手前は強がり過ぎなんだよ、何時も何時も。少しは誰かを頼れ。」

「……それ、中也が長期出張行く前も云わなかった?

居ない相手をどう頼れって云うの?」

少しきつい云い方をしてしまったら、中也は軽く目を見開いた。

「いや、折角慰めてくれたのにこんな事を云うのは失礼だったね、御免。」

「いや、俺も……すまねぇ。」

何時からだろうと中也は思った。

何時からこんなにお互い謝ってばかりになっただろうと。

昔はこんなにぎくしゃくした感じじゃ無かったのに。

「御免。」

「あ?」

さっき謝ったばかりなのにまたが謝ってきた。

本当にどうしたんだろうと思う。

「中也が長期出張から帰ってきてからだよね、こんな会話ばっかりになったのが。」

そうか、それくらいか。となると凄い最近だな。ぼーとそんなことを思っている中也。

「ほら……今月6月、だから。」

「あいつの誕生日の月、か。」

「そう、だから……誕生日、過ぎたらちゃんと、するから」

「良いんだよ、別に。」

「さっき中也云ったよね?頼れって。誰かを、頼れって。」

また、何かを云われる気がした。そろそろ怒るぞと思った。

が、予想は見事に外れた。

きゅっと服を掴むとは俯きながら云った。


「また、皆で……誕生日会したいよ。

3人で、また、誕生日会して……それで……」


最後の方は声が小さくて聞こえなかったが、凄い声が震えていた。

こんな時に自分は無力だと思った。

気の利いた慰めの言葉一つもかけてやれなかった。

ただ、中也が出来るのは頭を撫でて

大丈夫だ、きっと出来る、3人で、誕生日会。と繰り返すだけだった。
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