第32章 ニ長調 琴対決
「ええ?えーっと、先に弾いても良いですか?」
「もちろんです。」
というわけで私から弾くことになった。
「最後に曲に題名をつけてください。もちろん、曲は即興ですよ。」
即興……つまりアドリブ……。
んーじゃあなあ……
私は、スウっと手を添えて
パチン
ピン!
パチン
ピン!
と弾き始めた。
不安の音
仲良くなった音
遊んだ音
影の音
嘘の音
優しさの音
苦しみの音
そして、
恋の音
私は、弾き終わると
「題名は『歯車』です。」
と言った後、隣から大きな拍手が鳴り響く。
パチパチパチ
「すごい!私初めて聞いたはあんな音!」
「咲良様、素晴らしかったです!」
「なかなかの腕前だな。」
「(綺麗だったって言いたいけど……恥ずかしい……///)うまかったよ。」
「(ククク)なかなか、やるな。小娘のくせに。」
みんなが褒めてくれる。