第32章 ニ長調 琴対決
琴二台と他に楽器がいくつかある部屋の中に、男性六人と女性が三人入っているのに関わらず、まだ9平方メートルある。
広っ!
「では、皆様。どちらが上手かお選びください。」
え!?
もう話つけてたの!?
みんな返事をする。
私と奏耶さんは琴の前に座る。
あれ?この琴……
政宗のところで弾いた琴だよね……?
「奏耶さん……これって……。」
「ええ。政宗様の御殿から持ってまいりましたの。その琴、どうやら草山のものでして……私の弟の奏斗が作ったんです。政宗様、買っていただきありがとうございます。」
「ちょうど、純音が伊達家にいた時に買ったものを持ってきたんだ。」
と政宗はニカッと笑う。
「へえ。」
奏耶さんは少し何かに納得した。
「?」
「さてと、どちらから始めますか?」