第30章 嬰弍点イ、嬰弍点ロ 二人の音姫
『咲良、いいかえ?我らは、身を隠すために華山という苗字をつけたんじゃよ。』
身を隠すため?
『そうじゃ。私の叔母が教えてくれたんだ。
まだ東京が江戸出会った頃、
その時の幕府の当主が我ら『草山』を滅ぼそうとした。
だから、我らの一族は『草山』の一つしたの『華山』に変えたんだ。
別の伝説によると、『草山』を『草化山』と変え身を隠し、
そして、『花山』として
最後に『華山』となったそうじゃよ。』
へー
でも、何で
幕府は私たちを滅ぼそうとしたの?
『それはのーーーーーーー』
「!」
思い出せない。
子供の頃の記憶というものは、すぐに消えるものだ。
だが、この話をしたのは覚えている。
だから、私の本当の名前は……
『草山咲良』