第24章 ハ長調 宴
「『草山』という名前はご存知でしょう?兄上。」
「京都にいる有名な楽器屋や舞のところ?でも、なんで咲良が……?」
「咲良さんが今の『音姫』と良く似てるのです。」
私が今まで安土城にいなかったわけは、
奥州の政宗さんの仕事と
兄上の城がある江戸、
そして京都の帝のところに用があったのだ。
その時に寄った、京都のある店……それが『草山』。
ここは、指で数えるほどしかない有名な楽器屋と舞であった。
そこから、帝に嫁に行くなどということはよく聞く。
そして、そこの当主は『音姫』もしくは『音帝』と呼ばれる。
「現音姫の奏耶様と咲良さんがよく似てるんです。」
「現音姫が……?」
「はい。」
兄上は少し黙り
「純音、もう少し調べてみて。」
「分かりました。」
そして、私と兄上は話すのをやめた。