第24章 ハ長調 宴
ー京都の草山
「ふう。今日の仕事は終わり。」
「奏耶様!帝から手紙が来てます!」
奏耶と呼ばれた女性は、小姓の雪の方を見る。
「またかい?はあ。送り返しな。」
と雪は手紙を持って部屋を出た。
「奏耶様。」
「おや、朔弥。何かあったのかい?」
朔弥と呼ばれた男は天井から現れた。
「ええ。安土城で奏耶様とよく似た女性がいるらしいです。」
「私と?」
「はい。」
「ふーん。まあ。良い。織田のことだ。そろそろこちらに手紙が来るはずだ。」
奏耶は、外を眺めた。
「草山家5代目当主の名にかけてな。」
奏耶の目元は、咲良の目元とよく似ていた。