第1章 プロローグ
まだ太宰さんがポートマフィアに幹部だった頃、
僕は彼奴に出会った。
ある裏切り者を潰しに、僕は古ぼけた廃病院にきていた。任務は成功。しかし、相手の異能力で怪我を負った。廃病院の出てすぐに、壁に凭れる。
強い雨が降り、傷口に雨水が滲み、躰が冷えていく。血液は留まることを知らず、次から次へと流れ出る。
目を瞑り、死さえ覚悟した時だった。
いきなり、雨が止んだ。しかし、雨音は絶えず響いている。ゆっくりと目を開けると、そこには
『……生きてる……良かった……』
銀色の髪に、ビー玉のような瞳の
美しいとしか言いようがない青年がいた。
『ほら、起きろ〜。』
つい、差し出された手を払ってしまった。
_____こんなにも美しいものに、僕のような血塗れた者が触れたら、此奴が穢れてしまう。
「僕に触れるな!!」
『………どうして?』
「……僕は穢れている………貴様のような者には触れられぬのだ……」
『……もしかしてさ、君、ポートマフィアの人?血塗れだし。』
「………」
『無言ってことはそうなんだ。俺は別に、君を穢れてるなんて思わないけどね。』
「……!」
そう言って、青年が微笑む。
青年はまた手を差し伸べてきた。
「………」
『あはは、今度は素直に握ってくれたね。』
腹が立ったので、笑う青年の手を弱めに叩く。
青年はそんな僕を見て微笑み、僕を背負った。
「!?」
『思ったより元気みたいで良かったよ。
……あ、名前聞いてなかったね。俺は 。君は?』
「……芥川龍之介だ。」
『へぇ、いい名前。よろしくね。………よし、ポートマフィアの本部行くか。』
………いや、はそう云いながら歩き出した。の髪から、ふわりといい香りがする。
「本部まで行くのか?」
『勿論。俺も一応ポートマフィアの一員だし。』
そうだったのか……初めて見る顔だったが………
……さらっと名前呼びされたのは気にしない事にした。
『太宰の奴は元気にしてるかな?』
「太宰」この名前を聞いた途端、躰の体温が数度下がった気がした。
「……ッ…太宰、さん……」
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