第2章 智.翔の夜会
唇を指でなぞって
引き寄せたいけど 生憎テーブルが邪魔だ
翔「あなたが遠いんだけど…来て?」
拗ねたように でも 素直に
俺の隣りに来てくれる
智「…ずりぃ 翔くん」
翔「なにが?」
智「まだあんのに」
まだあんの?
今度から夜会の台本 智くんにちゃんと見せよう
翔「あとは?」
智「セクシー特集 おいらだけ去り際セクシーってなに?おいら他にセクシーって思えるとこなかったのか?」
あれは
確かにあの後ろ姿に色気を感じたからだけど
本意は
翔「あなたのセクシーなところなんて選びきれないし 俺以外に見せる必要ないから」
智「翔くんは雑誌であんなエロい顔すんのに?」
翔「あれが作った顔だってあなたわかってるでしょう? エロいかどうかはわからないけど アノ時の顔はあなたがいちばん知ってるはず」
潤んだ瞳で俺を見ながら
つーっと 俺の唇を指でなぞる
智くんがいつもエロいって言う 厚ぼったい唇
智「…じゃあ おいらにしか見せない翔くんのエロい顔 見せてよ…」