第18章 後輩ー智②ー
智「おいらは自分で何もしないて翔くんに護られてるだけなんか…?」
大切にしすぎて あなたのためを思ってしたことが
かえってあなたを傷付けてしまったんだ
あなたも 同じ性
護られてるだけは プライドが許さない
縫い付けていた両腕を離し
包み込むように抱き締める
いとしい いとしいあなたを
翔「違うんだ 智くん…」
わかってくれるかな
本当は あなたのためだけを思ってしたことじゃない
翔「俺が不安だったんだ…ほんの少しでもあなたがあの子の事を考えるのが…色恋沙汰で俺以外の人間があなたの中にいるのは許せない…」
智「翔くん…」
俺だけのあなたでいて欲しい
でも それは叶わないことだから
せめて こころの中では俺の事だけ考えて欲しくて
智「あの絵 どうしてあの色なんだと思う…?」
抱き締めた俺の背中に両腕を回し
優しく撫でながら
智「翔くんは緋色なんだ イメージカラーとかじゃなく おいらが熱を持つ唯一のひと だから」
翔「俺の…色…」
智「おいらのこころの中翔くんでいっぱいなんだ だから緋色一色」
その一色で染められたものが
あなたのこころを表すものなら
あなたの中は 俺しかないってことだよね
どうして あなたは
俺をまたそうやって夢中にさせるの?