第3章 後ろに気を付けろ(落ち未定)
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学校の帰り道、背中に感じるのは視線。
今日もか、と背筋を丸めて警戒態勢に入る。
たまにある反射鏡で後ろを確認すれば、確実に誰かが隠れながらついてくるのが見えた。
ぞわりと寒気が襲う。
ここ最近、2週間くらい前からだろうか。
最初は同じ経路の人なのだろうと思っていたけれど、私の帰りが遅くなった時にも後ろをついて来た。偶然だと思いたかったけれど、時間が変わろうとも必ず背後についてくるのだ。
流石にこんなに偶然が重なることはあり得ないだろうと思い始めるようになったのがここ最近である。
なるべく大通りを通って帰ろうとはしているけれど、私の家は一本の細い路地を通らなければ着かない。
相手は今の所何かしてくる訳ではないけれど、このままでは気味が悪くて仕方ない。
確かめる為にも一旦歩みを止めて、普段は行かない自動販売機へと足を進めてみた。
これで付いて来るならば、完全にストーカーだ。
心の中で来ないように祈る。
しかし、突如背後から駆け寄る足音。
不味いと後ろを振り返れば、其処には驚きの光景が待っていた。
「手前、何してやがる。」
「あはは、中也ったら怖い顔ー。そんなんだからいつまで経っても背が低いんだよ?」
「それとこれは関係ねぇだろ!」
私のすぐ後ろで繰り広げられていたのは元双黒の2人の頬をつねりあっている姿。
思わぬ光景に、唖然とする私をみて太宰さんはさも当然のようにやぁ、と挨拶をして来た。
ハッ思い2人の後方や周りを見渡すけれど、先ほどつけて来ていたと思われる人の気配はいつの間にか消えていた。
「...、どうかしたのか?」
「え、...あぁ、何でもないです。それより二人は如何してこんな所に?」
「こいつが手前の後ろをコソコソつけてたからとっ捕まえたんだよ。」
「え?」
太宰さんこ首根っこを掴むように首元を掴むけれど背が低いためか多少の背伸びをして私の前に突き出した。
当の本人はバレちゃった、なんて言って笑ってるけれど、こっちにとっては笑えない冗談だ。
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