第1章 松野姫松、七つ子の長女。
卓袱台に置かれた梨に一斉に飛びつく七つ子達。押し合って我先にと梨を食べる。あっという間に減っていった梨だったが、残り1個の時に悲劇は起きた。
全員が、それに手を伸ばしてしまったのだ。
7つの手がピタッと止まり、全員ゆっくりと顔を上げて睨み合う。暫く睨んだ後試合開始のコングは鳴った…!
殴り蹴り唸り、その最後の梨を勝ち取ろうと戦う。しかし最初にその戦いから放り出されてしまったのは末弟トド松だった。
ト「うわっ!」
続いて十四松、一松、チョロ松も投げ出されてしまう。
十「わはーーー!」
一「うぇっ」
チ「うわぁ!ちょ、ちょっとくらい手加減してよ!」
チョロ松の悲痛な叫びも届かず、睨み合う3人の男女。
姫「へぇ…意外。カラ松が残るなんてねぇ?」
カ「梨は大好物だからな…最後の一個は俺が貰う!」
お「何言ってんの?最後の梨は俺のもんだよ?」
姫「ならさっさと決着をつけましょうかっ!」
……大きな皿に残った一つの梨に手を伸ばし口に運ぶ。
姫「…おーいしっ♪」
その後ろには、伸びきっている6人の男が積み重なっていた。
梨に勝る姉弟、なし! END.