第1章 ─ N × A ─
─二宮side
カ「もう少し寄って..視線こっちお願いします!」
今日は雅紀と2人でグラビア撮影
カメラマンさんの指示に従うべく雅紀の肩に手を回し、顔をぐっと近付ける
ちらりと見やるとドアップで映るイケメン
高い鼻、笑うと少し下がる目尻、黒目がちな瞳...恥ずかしながら惚れ直す
だって、雅紀は俺の大切な人
ずっと一緒にいて、気付いたら俺から好きになっていた
思い出すと照れくさくて、少し頬がゆるむ
カ「二宮さん!目線お願いします!」
相「もぅ、何見てんの〜?前見て!」
「...?あ、すみません...」
答えるまでに少し時間がかかってしまった
気になったのは、その雅紀の声
いつも少し鼻声で可愛らしいなんて思っていたけど、今日はいつにも増して鼻声っぽい?
そういえば朝も咳してたし..まさか、風邪?
この人、今すっげえ忙しいから疲れてんのかな?
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カ「はい、以上です!お疲れ様でした〜!」
相「ありがとうございました!」
「...あっ、お疲れ様です...」
そんなことをぼんやり考えている内に、その日の撮影は終わっていた