爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第4章 九州 大宰府
「そんな事はわかっている。私が欲しいのは、そんなガキの答えじゃない」
「なら、どうなさるおつもりでしたかね、諫早将軍は? 大島を今漸く落として息の切れている軍に上陸なんか出来るとお思いで」
「鹿子木には命じたではないか」
「言わずもがな、あれは撒き餌だ」
適当にあしらった大尉に諫早は怒りを示した。
「貴様、友軍を撒き餌呼ばわりとは如何なる存念かっ!?」
「餌は餌、撒いた餌だから撒き餌、違う?」
「蓮池っ!」
諫早は怒気を強めた。大尉は団扇もとい書類を煽る手を止め、つまらない物を見る目で諫早を見据えた。両人の間には緊張感が常にある。不遜な大尉に不服の諫早、分かり易い構図である。
大尉は元々、理由は分からないが(分からないでもないが)諫早を嫌っていた。諫早も何となくだが、彼女の仕草一つ一つに気に食わないところがあって仲が悪かった。
その点、陶山聖尚は不感症気味に思えるが人が出来ていた。
「両人、控えられよ。常なる事とはいえ、まるで成長が無い振る舞いは目に障る」
少なくとも、この2人よりは、である。
「陶山君、君は彼女の物言いに何ら思う所無いと申すかっ!」
諫早は仲裁の言葉で更に燃え上った。陶山は抑揚もなく、平然と返した。
「常なる事にて、聊(いささ)かも。実に蓮池らしい人でなし振りであった」
「何という。貴様にも礼節を教えなくてはならないのか」
諫早は嘆息した様子だった。
「撒き餌、と蓮池は申したな」
「ああ、言った。お気に召しませんかね、将軍様?」
「君はまるで中学の子供だ」
「何です?」
大尉も少し、熱を帯びた。陶山は相変わらずの様子だ。
「誰是構わず皮肉を述べ、無意味に喧嘩腰で挑み、事を煽り荒立てる。騒ぎに騒ぎ、捻くれて考える事を真理に通ずると思い込んだ、餓鬼の精神に相違無い。下らん。君が控えて、諫早将軍に事を述べれば、波は穏やかだったというのに」
大尉は言い切られてそのまま何も言わず、ふんっ、と顔を背けた。何も言えなかった。すぐに拗ねた様で押し黙る。だから子供だと言われるんだって、と首相は内心苦笑した。
「但し、撒き餌という言葉の意味は肯定しておく」
「陶山君っ!」
陶山に諫早は咬みつかんばかりの表情で怒鳴り込んだ。